kuri-log

30歳、既婚、料理だいすきアルバイター。

コーヒーは飲めないけど

コーヒーが最近

飲めなくなった。

 

コーヒーを飲むと調子が悪くなる。

おなかの調子やのどの調子が。悪くなる。

 

そもそも僕はコーヒーがあまり好きじゃない。

コーヒーがあまり好きになれない僕は

25歳のころ、日本茶専門の茶屋を営んでいた。

 

ほんの数年間の話。

 

お店に初めて来た人の中で

コーヒーは無いんですか?

というお客さんが結構いた。

 

日本茶のお店になります。

というと、帰っていくお客さんも多かった。

 

なんか悔しくて、日本茶だって美味しいと

知って欲しくて、日々、茶を厳選しながら

美味しいお茶を追求した。

 

そのうちお茶ファンが集まり

地元の雑誌に載ったり、新聞に載ったり

それなりにお店は繁盛した。

 

今思えば、日本茶のおいしさをみんなに知って貰うことより

すでにお茶が好きな人に、知って貰うこと

それだけでよかったのだ。

 

もちろん新しくお茶のおいしさに気づいてくれるような体験を

提供できればそれはそれでとてもうれしい。

 

でも大切なのは、求めてる人に求めてるものを提供すること。

 

若かりし頃の僕は少しとがっていた。

自分の伝えたい想いを

自分の語りたい物語を

語りたくて必死だった。

 

今は自分の茶屋は友人に預け、運営して貰いながら

僕は都内のゲストハウスで働いている。

 

ありがたいことに勤め先のゲストハウスにもカフェが併設されていて

僕がカフェ好きというのもありカフェの担当を任される日も多い。

 

僕は根っからのカフェ好きだと思う。

同時に僕は照明ヲタクだ。

都内と様々なカフェを周って

自分好みのカフェで、お茶をしながら大好きな照明を眺める。

どこを照らし、どこに影が落ちていて、そこにどんな意図があるのか。

そんなことを考えながら空間に浸る。

至福の時だ。

 

でも、そんな至福の時より自分が幸せに感じる時が

自分がカフェに立ち、お客さんに飲み物を提供するときだと

最近つくづく思う。

 

今となっては正直それが茶だろうがコーヒーだろうが

お客さんが求めている物であれば

なんでもいい。

 

コーヒーは飲めないけど、

僕はカフェが大好きだ。

 

お客さんにコーヒーを淹れて

ごゆっくりどうぞ。と渡す瞬間。

コーヒーが飲めない僕でも

幸せな気持ちになる。

 

それが美味しいのかどうか

僕にはわからないけど

幸せな気持ちになる。